正確には術後7ヶ月健診となる。
現在の状態は、以下のとおり。
傷口付近はまだ硬く、シコリのようなものに触れる。
全体的には、柔らかさが戻ってきた感じがある。
相変わらず、時々だけど内部に激痛が走ることがある。
放射線痕はかなり薄くなってきた。
駅から徒歩で病院へ。
ローカルなら嫌がって車で行く距離を、余裕で歩いて行く。
でも、途中の歩道はだいぶガタガタで、
おまけに車道が近く、皆ガンガン飛ばしまくってるせいで排気ガスがすごい。
まあ、歩道があるだけマシ。
待ち時間は30分ほど。
隣のソファに座ってる若い女性が、
胸部全体を黒いスカーフでカバーして、
何やらモゾモゾしたかと思うと、
ウィーンウィーンと機械音がスカーフ内部から漏れてきた。
なんなんだ?何してんだろう?
あ、もしかして、搾乳ってやつ?
いや、分かんない。でも搾乳以外に思いつかない。赤ちゃんいないし。
一定の間隔でウィーンウィーン鳴ってる。
気になる。
乳腺外科外来の待合室だから、
やっぱ乳関係よね?やっぱ搾乳か?と、ひとりで悶々とする。
この状況で質問も気が引けるし。
でも、気にしてない風にして、TVのインドドラマで気を紛らす。
何言ってるかさっぱり分からん昼ドラ的なメロドラマは、さすがボリウッド、大げさな展開。
結局、機械音の正体は分からず呼ばれる。
4ヶ月ぶりのドクターは、いつもより明るい感じ。
まぶしいオレンジ色の無地のワンピースがすごく似合ってた。
こういうのってなかなか日本人は着ないけど、素敵だなあと思った。
まず、丁寧な触診から。
「元気?痩せたんじゃないの?ちゃんと色々全部食べてるの?」
「めちゃめちゃ元気です。ベリーグットです。全部食べてますよ」と嘘を言う。
元気なのは本当だけど。
次は超音波。傷跡付近のシコリ部分でドクターの手が止まる。
シコリの上で何度も機械を動かして、モニターを確認する。
かなり焦る。
私もモニターを凝視して、深部まで傷が入っているのを確かめた。
ナイフでざっくり切られたような、真っ直ぐ伸びた傷が見える。
何度も見せてくれて、安心する。
気になるシコリは、傷が治る過程で肉が硬くなっているものだそうだ。
局所再発のシコリと見分けが難しいらしい。
健側の右側も丁寧に検査。
一瞬シコリのような影が映って、慌てて尋ねると、
「これ?ニップルよ」だと。
ああ、焦った。
着替えをしていると、
「タモキシフェンは服用してないの?なぜ?」と聞かれ、
あれ?前回説明したのにな、と思いつつ、
「妊娠希望なんで、日本の先生と相談してそうなりました」と答えた。
「ああ、そうだったわね。子供が欲しいんだったわね。
そうねえ、そろそろいいと思うわよ」
え?
なんだか前回と先生言ってることが微妙に違う。
今回、その許しをもらおうと、あれこれ言う事を考えて来たんだけど。
「前回、ドクターに最低1年は待つように言われたんですが、
体調も順調だし、再発の不安だけに囚われるのもストレスだし、
そろそろ子供を考えたいんです。私の再発リスクはそんなに高くないんでしょう?」
「そうね。でも本当ならば、術後1年の健診で血液検査とCTをして、
何もないと分かってからのほうが、精神的にも安心じゃない?
ちょっと早いけど、次回10月の健診で全身検査をしましょう。
でも、その時点でもし妊娠していたら、検査項目を変えるから大丈夫よ。
まあ、どちらになるかまだ分からないけどね」
と素敵なスマイルで言われた。
ということは、どうやら妊娠のお許しが出たみたいだ。
うまいこと妊娠できるかは別問題だけど。
「妊娠で悪い影響はありますか?
逆に良い影響になったりしませんか?生理が止まるわけだから。」
ホルモン療法は、卵巣の働きを止めてホルモンの分泌を操作するのだから、
妊娠でも似たような作用が期待できると、日本の先生に言われたこと。
「確かにそういう意見もあるわね。
でも、あなたはホルモンレセプター(ER・PR)がポジティブなタイプだから、
妊娠によって何かしらの影響はあるかもしれない。
とにかく、妊娠したとしても定期的な検査を続けましょう」
ということで診察終了。
終わるとすごくほっとした。
診察後、看護士と次回予約などについて話す。
もし妊娠したら予約内容を変更するから電話をするように、とのこと。
他に色々話をしていたら、最近乳がん患者が多いそうだ。
つい最近も、20歳の女性が癌と診断されたそうだ。
あなたもちゃんと検診してるの?注意してね、と伝えて会計に行く。
看護士の彼女はまだ24歳だって。若いなあ。
術後半年健診も無事に終えることが出来た。
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