1/05/2013

照射位置決定

放射線治療開始。

地階の長い廊下の奥、
ハザードマークなのか黄色斜線が描かれた廊下を越えたゾーンの一角に、
リニアック室とやらがひっそりとある。
リニアック?
(調べてみると、直線加速器(linear accelerator)という意味)

入院中、放射線治療を避けるために、全摘手術を選んだと言っていた患者さんがいた。
どうも被爆は避けたいらしかった。
その後、無事に放射線治療は免れたんだろうか。
(全摘でも、敵の顔つきによっては放射線治療の必要があるらしいから)

私にはそこまでの恐怖は特になく、先生の話も淡々と聞いた。
ただ、左乳房の乳腺機能は死滅するため、授乳はできなくなる。
残念ではあるけど、反対側の乳房で可能なので贅沢は言わない。

質問は?との問いに、
原発事故で問題になっている放射能と治療に使う放射能の違いは何か、
質問してみようかと頭に浮かんだけど、面倒臭くなってやめた。
代わり?に、温泉に入っていいかを聞いてみると、
駄目だと言われ、落ち込む。

副作用は人それぞれピンキリで、急性と晩発性があるとのこと。
皮膚炎から全身倦怠、吐き気、肺炎、肋骨骨折、果ては二次性ガンまで。
あくまで、可能性として列挙、明記してあるだけで、
実際に起こった患者を見た事が無いと先生は言っていたけど、
再発防止の治療でガンになるなんて、元も子もないな。
おそるべし放射線。

その後、お決まりの同意書にサインという段になって、
治療目的の項目に、左乳房ガンと書いてあってびっくり。
たった今その話してたってのに。
笑えない。
一瞬、慌てた先生も、冷静沈着に再発防止と訂正し、
そこでようやくサインをした。

同意書はきちんと確認しよう。

胸の照射位置を決定するため、放射能マークがある分厚い壁の部屋へ入る。
上半身裸で両手万歳という間抜けな格好で横になる。
BGMUSENで、オルゴールのヒット曲チャンネルのようなやつ。

配慮からなのか、部屋の明かりを付けたり消したりしながら、
機械と私の体の位置を定めているようだった。

途中、胸部CTを撮って、内臓の位置も確認されつつ、
医者や放射線技師が部屋を出たり入ったりしながら、
胸にテープを貼ったり、マジックで線引きしたり、忙しそう。
男性2名の前で、間抜けな格好、なかなかない経験だ。

終わって胸を見てみると、おお~すごいことになっていた。
胸に落書きされているみたいで、ちょっと笑える。

最後に優しそうな看護師さんから、諸注意の説明。
半身浴なら温泉に入っていいか、聞いてみると、
言葉を濁しながらも、この地域の温泉は比較的成分が優しいんですよ、と。
それは入っても問題ないという事かな。
全て終わったのは、1時間半後。

治療は明後日からだけど、
服に擦れて、既にマジックが消えかかってきている。
下着や服にマジックの青色が付いてるし。
普通の油性マッキーのほうが落ちないんじゃないかなー。

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